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顎関節症の痛み(耳の痛み、頬骨あたりのしびれ、後頭部痛)TMJ case

「口を開ける時」と「閉じる・物を咬む」時の痛み

 あごの筋肉の緊張が過剰になると、口が開かなくなってきたり、物を咬むと痛みが出たりすることがあります。

 その直接的な一番の原因は「食いしばり」。
 寝ている間に食いしばってしまう場合は起床時にあごがとても疲れて動かしづらくなっており、時間が経つにつれて動くようになってくるものです。
 また日中の食いしばりが強い場合は夕方になるにつれ顎がつらくなってきます。

 筋肉の緊張が動きを制限することは、あごに限らず体のどこででも起こりうることですが、顔にある関節だし、物を食べたりするのにも支障が出たりするために、あごの場合は不調・不快感を特に感じやすい箇所ですね。

 なぜ食いしばってしまうのかには原因がいろいろ考えられ、スポーツによるものやストレスによるものもあるでしょう。原因が分かれば対処しやすいのですが、実際にいろいろな方を見ている限りでは、原因がはっきりしないものも多いですね。

 筋肉の緊張を念入りにゆるめるようにすると、一時的に関節音が出てきたり、ガクガクとやや不安定な感じがすることがあります。
 これは、硬く緊張したあごの筋肉が弛んだことによる一時的なもので、しばらくすると落ち着いてきます。弛むことにより口は開きやすくなったり、痛みが軽くなっていれば大丈夫なのです。


 それでは「口を開けると痛い場合」「口を閉じる、物を咬むと痛い場合」、それぞれについて見てゆきます。


顎関節症(口を開けると痛い)

 口を開けると痛い場合、顎のどこかの筋肉が過緊張していることが多いです。多いのは外側翼突筋または顎二腹筋(&胸鎖乳突筋)だと思います。

外側翼突筋・・・下顎の骨と頭蓋骨をつなぐ。
         下顎を前に突き出すときの筋肉。
         顎関節内の関節円板を前に引く。

 試しに、下顎を前に突き出すようにしてみてください。鋭い痛みがあったり、痛くてできないようなら、まずここが過緊張しています。

 この筋肉はなかなか外から触れませんが、頬のくぼみを後に向かって押すと、少しここに圧力をかけられます。

 ですので、まず顎の力を抜くように、痛くない程度に口を開けるか、もしくは口は閉じたままで奥歯は離しておきます。できれば仰向けに寝た状態のほうがいいかもしれません。
 そして、この状態で頬のくぼみを後に向かって押してみましょう。あくまで痛気持ちよい程度の力で行ってください。1分半程度を目安に、押し始めの痛みがある程度引いたら、手を離しましょう。これを時々行ってみてください。

 ちなみに
 ・顎二腹筋・・・口を開ける筋肉の一つと言えると思います。他には顎の裏(のどの上辺り)の顎舌骨筋・オトガイ舌骨筋というのもあります。

 これらが過緊張しても顎の辺りには痛みは出さないことが多いとされているのですが、僕の経験上、耳の下のえらの骨の下内側あたりに圧痛がある場合が多いです(内側翼突筋の場所に近い)。これは顎二腹筋の影響ではないかと思います。ここが緊張すると唾をのみ込んだりするときに痛みを感じることがあります。

 ※この顎二腹筋は顎関節のある側頭骨につながりますが、その上に胸鎖乳突筋という首の大きな筋肉がまたつながっています。僕が普段見ている限りでは、この胸鎖乳突筋も顎の痛みに関連しているようです。



顎関節症(物を咬む、口を閉じると痛い)

物を咬む時に痛いのは、咬む時の筋肉が過緊張しているからです。

 咬む時の筋肉は

咬筋・・・顎の上に付いています。下顎と頭蓋骨を結ぶ、強力な筋肉。
      過緊張すると、顎の筋肉は勿論、
      奥歯が痛い感じや耳の奥が痛い感じがすることもあります。

側頭筋・・・頭の横についています。
       過緊張すると、歯が痛い感じや側頭部が痛い感じがします。

内側翼突筋・・・下顎の裏側に付いています。
         顎を後に引く時に使います。
         外からは触りづらいです。

 物を咬む時に痛いのは、これらの筋肉のいずれか、もしくは複数が過緊張していると思われます。

 まずは、顎の力を抜いて、口を半開きのようにします。その状態で顎の筋肉や頭の横をよく揉んでください。気持ちよい程度の力で行います。

 今度は、顎を引くようにしてみてください。
 また、えらの部分の内側(というか下側というのか喉側というのか)をちょっと押してみてください。ここが内側翼突筋です。

 痛みがありますか?

 痛みがあるなら、軽くやんわりと押してあげてください。1分半程度が目安です。
 そして、試しに顎を少し前に出すようにしてみてください。
 これで痛くないかもしくは少し楽な感じがするようでしたら、下顎を少し前に押してあげても良いです。軽い力で行ってください。痛みがあるなら止めましょう。


 追記
 時々ある症状として
・耳が痛い・・・耳の穴のあたり。
・顔のしびれ・・・中でも頬骨あたりにしびれる感覚があるという方は意外と多い。
・後頭部の痛み
があります。

 ここで言う「しびれ」は麻痺ではありません。麻痺は触られてもわからない(知覚麻痺)とか、力が入らない(運動麻痺)とかで、脳か顔面の神経の異常です。

 ここでの「しびれ」はじーんとしてるとでも言いましょうか、感覚はあります。

 このようなしびれ症状の場合、首の筋肉と顎を動かす筋肉が緊張して出ることが非常に多いです。

 筋肉が過剰に緊張すると、血流が悪くなり、このままではまずいですよというサインとして痛みやしびれの感覚が起きます。

 耳の前の顎関節に違和感があったり、顎が痛かったり、口の開け閉めで耳に響くとか、頬骨あたりがしびれているなどというようであれば、それは耳の問題ではなく、顎を動かす筋肉の問題ということがあります。

 でもこんな時、皆さんどこを受診してよいかわからないのでまず耳鼻科に行ったりするのですが、顎の筋肉の問題なので、調べてもらっても耳には異常が見つからないのですね。


 過剰に緊張すると顔(耳の穴、頬など)に痛みやしびれを出す筋肉は、
咬筋・・・あごのえらのところの筋肉。えらのところの筋肉で、顎の周りや歯に痛みが出ます。
・胸鎖乳突筋・・・首の筋肉。顔を横に向けると斜めに浮き出る筋肉。目の周りや頬骨あたり、後頭部に痛みを出すことがあります。

 耳の前の顎関節に痛みを出す筋肉は、
外側翼突筋・・・頬骨の奥のほうの筋肉。下あごをスライドする時の筋肉。頬骨あたりと耳の前あたりに痛みを出します。
内側翼突筋・・・上と同じですが、内側なので外からは直接触れないです。

 僕が見ている限りでは、咬筋と胸鎖乳突筋なんかは顎のトラブルへの関連がとても多いです。が、耳にも痛みを出したりするので厄介です。

 このような顔の症状の場合、ほぼ間違いなく首肩の筋肉もとても凝っていますので、
原因箇所だけでなく、それらも同時にゆるめるようにするのが効果的です。

 咬筋や外側翼突筋が凝る場合、普段に食いしばりの癖があると思われます。食いしばりや歯ぎしりなどがあると顎の筋肉は疲労して緊張してしまいますから、耳が痛い時に顎にも違和感があるような場合は顎の力を抜いて噛みしめないようにしてリラックスさせてください。

 寒くなり首肩が縮こまる時期ですから、くれぐれもお気を付けて。



(2016年8月ブログ記事、11月ブログ記事、17年7月ブログ記事に加筆修正)



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